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コラム

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2017-10-12

ハワイ訪問(神棒 2017年9月)

神棒です。9月に18年ぶりにハワイに行ってまいりました。目的は家族旅行で、海に行ったり、山でトレッキングをしていました。しかし、見るもの、聞くものをビジネスや金融の面から見てしまう職業習慣は抜けません。今回はハワイ滞在時に感じたことを記載いたします。

 <ダイアモンドヘッドにて>

 

 ハワイ州の基本的データを見ながら考えていきたいと思います。ハワイ州は、ホノルルとその周辺、ハワイ島、マウイ島、カウアイ島などからなり、人口は142万人です。アメリカ全体の人口は全体で32300万人ですので、4%強を占め、最大州であるカリフォルニア州の人口39百万人と比較すると、約25分の1になります。(出所:Census Bureau 2016/7/1時点推計値)

 

ハワイといえば、気候に恵まれ、「地上の楽園」と称されます。日本人の渡航先ランキングでも第4位に位置し、2014年に151万人が訪れています。(渡航者数データ出所:一般社団法人日本旅行業協会)。つまり、ハワイ州の人口よりも多くの日本人旅行者が訪れていることになります。

 

 滞在して感じるのは物価の高さです。ホテル代、食事代など今年出張したサンフランシスコやボストンより高く感じました。ハワイ州のデータによると、アメリカ全土平均を100とすると、一般の財・サービス価格が138.1、家賃が221.9だそうです(出所: State of Hawaii Data Book 2016)。一般の物価がアメリカ平均より40%近く高く、家賃が2.2倍ということになります。

 

物価が高いことは豊かさと裏側であるのが一般的ですが、一人当り実質GDPを見てみると別の姿が見えてきます。ハワイ州が49,479ドルで、全米平均が49,844ドルとなっておりほぼ全米平均ということになります。(出所:US Bureau of Economic Analysis 2016一人当り個人所得を見ても48,222ドルであり、全米平均の48,122ドルとほぼ同水準で、アメリカの平均的な州のレベルで、アメリカの中では生活水準は高くありません。

 

物価が高いわりに、アメリカ内での相対的な生活水準が必ずしも高くないのはなぜでしょうか。

 

ニューヨーク証券取引所に上場しているハワイ本拠の会社を調べてみましたが、Bank of Hawaii(地元銀行)Hawaiian Electric Industries(地元の電力会社)Hawaiian Airline(航空会社)など限られて、しかもほぼ州内でのビジネスに限定的な企業です。ニューヨーク州に見られる超巨大金融資本、カリフォルニア州に多いプラットフォームを握るGoogleのようなIT企業、マサチューセッツ州に見られるライフサイエンスなどの先端研究開発型企業などの世界をけん引する高収益産業の存在をハワイでは感じませんでした。ハワイでの仕事は、小規模の飲食店や小売店員、農業関連の仕事は多いことが所得の数字につながっていると考えます。

 

<ワイキキビーチの夕暮れ>

 

 

 一方、楽園を求めた不動産投資のニーズが大きく、不動産価格や各種コストを引き上げていると思われます。オアフ島を車で一周しましたが、Dole Plantationやコーヒーなどの大規模農場はありましたが、製造業の工場などが少なく、多くの生活必需品を輸送してこなければならないことも生活コストの高さにつながっていると思います。

 

私は、日本の会社の海外進出や進出後のビジネス拡大をお手伝いすることが多く、この点から、日本の会社にとってのハワイでのビジネスを考えてみます。

 

ハワイをキーワードにネット検索をしていると、日本人向けのハワイでの法人設立を代行するサービスなどもよく見られます。日本人にとっても法人を設立しやすいようです。また日本人による金融機関口座開設なども盛んです。最近は非居住者日本人の口座を閉鎖し、取引をしない方針の金融機関が多い中、現地銀行で聞いたところ、非居住者日本人の口座開設を積極的に受け入れているようです。

 

ハワイは島であり、量産品の製造拠点を置くことは、もともとのコスト高に加え、輸出を行う場合の物流コストなどを考えるとなかなか想定しずらいと思います。まだ発掘されていないハワイの特産品(例:コーヒー)を製造し、輸出することはあり得ると考えます。

 

販売の市場として狙うとなると、140万人の居住者、あるいは日本人観光客を対象としたビジネスということになります。実際に日本人オーナーと思われるラーメンなど現地飲食店やおみやげなどの物販店など数多くあります。新しいコンセプトや価値をターゲット顧客に提供すれば成功の可能性はあると思います。

 

私自身も、コンサルティングの拠点をハワイに移せないか想像してみました。ハワイを拠点にして、必要な時だけ日本に来るようにしてい起業家なども見聞きします。

 

常夏で湿気が少なく過ごしやすく、海や山が近く、満員電車のストレスや閉塞感のある日本社会と比べるとストレスが少ないでしょう。多様なレストランがあり、ナイトライフも楽しそう。レポートを書いたり、リサーチするならネットにつながばできる。日本のお客さまであれば、スカイプなどを使えば十分話ができます。対面の打合せが必要な時だけ、日本にいけばよい。このようなライフスタイルは魅力です。

 

一方、ハワイではアメリカ本土でよく見るBordersなどの大型本屋は探せばあるものの、数が少なく、図書館なども今回の訪問の範囲では見かけませんでした。思うに、気候が良すぎ、自然も素晴らしすぎると、マリンスポーツやトレッキングなどに関心が向かい、熟考や分析をしたり、本を読んだりすることに向かないのではないかと感じたりします。特に私のような怠け者はそうなるのではないかと思います。

 

やっぱりハワイは休暇、気分転換で来るところではないかと考えつつ、地上の楽園を後にしました。良い思い出であり、また近く訪問する予定です。