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コラム

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2018-08-08

インドネシア出張(神棒 2018年6月)

神棒です。6月にインドネシアに出張してまいりました。訪問は12年ぶりで、首都ジャカルタ、バリとまわりました。

 

人口とGDPデータを確認してみます。2017年での人口は2.64億人(国連データ)で、東南アジアでは際立って大きく、世界第4位となっています。ジャカルタの経済規模は、立ち並ぶ高層ビルを見ていると、都市規模など大阪より大きいという印象でした。実際、ジャカルタの人口は950万人であり、大阪市の270万人、大阪府880万人を超えています。(各都市行政ホームページより)

 

〈ジャカルタの朝のラッシュ〉

1人当りGDPは、2017年時点で3,900ドル周辺になっており(IMFによる予測データ)、約6,000ドルのタイには及ばないものの、東南アジア近隣国のフィリピン、ベトナム、カンボジア、ミャンマー、ラオスと比較して、頭一つ抜けた水準です。

 

インドネシアを特徴づけるのは人口だけではありません。今回私が特に感じたのは自然の過酷さです。東南アジアの一般的なイメージとして、暑い、激しいスコールが降るなどあると思います。日差しがきつく、湿気も多い。じりじりとした暑さが続いたあと、雷の音がして激しい雨が降る。

 

まずインドネシアの雨を見て見ます。2014年の年間降水量は約2,700mmで、日本の1,670mmより60%多い水準です。他の東南アジアの国、例えばタイ、ベトナム、カンボジア、ラオスなどの年間降水量1,700〜1,900mm程度なのでインドネシアがいかに多いかがわかります。

 

又、東南アジアの国は7、8月に雨季のピークを迎え、冬の12月、1、2月が乾季で雨がほとんど降らないのに対して、インドネシアは年間を通して雨が降、実際に乾季がないように見えます。

 

〈雨季と乾季が他東南アジア国と逆、降水量は極めて多いインドネシア〉

(雨量データはThe World Bank Group Climate Change Knowledge Portalより)

 

雨量と同様、日照時間を見てもインドネシアは際立っています。首都ジャカルタの年間を通した1日当り日照時間を調べてみると、なんと8.12時間でした。東京が5.1時間なので年間通して1日当り3時間長いことになります。1日平均での数値です。他の東南アジア諸国の首都、例えばホーチミンが6.8時間、ヤンゴンが6.7時間ですので、いかに長いかがわかります。つまり雨もよく降る一方、日照も長い気候ということになります。(日照データはWeather Atlas https://www.weather-atlas.com/enよりデータ収集、作成)

 

さらに、地震、洪水、地滑りなど災害が多いことで知られています。例えば、10人以上の方が亡くなるといった大規模地震の1990~2018年4月(約29年)発生回数は48件で、地震大国と言われる日本の20件を大きく上回っています。

 

雨量、日差しの長さ、温度、災害など過酷さをビジネスとの関係で考えますと、例えば、屋外使用をする製品で、自社製品の長期にわたる耐久性、故障の少なさ、頑強さ、などに自信のあるメーカーは腕がなる市場と言えます。環境が過酷であるからこそ、作り込まれた製品品質の良さが際立ちます。インドネシアで使用に耐えられれば、他の東南アジアでも十分機能する可能性が高いと考えられます。

 

但し、いくつか注意が必要です。上述の通り、人口は大きく、所得水準も比較的高く、一見、市場は大きく感じます。しかし、インドネシアは13,000以上の島から構成され、地方自治システムは34の州を筆頭に4階層で構成されています。、最も小さな単位は村(Village)で、75,000に及ぶようです。人口が集中しているのはジャワ島のジャカルタなど一部で、非常に分散されたマーケットです。

 

また、これらは、流通網にも影響を及ぼしているように感じます。人口規模が大きい国だとグローバルなスーパー(ウオールマート、カルフールなど)の巨大店舗が入ったモールが目立つものですが、インドネシアの場合、モールは存在はするものの、むしろ「ワルン」と呼ばれる小さな店、屋台が目につきました。これは、島が分散し、多様な国土に合わせたコールドチェーンなど統合された流通網を構築するのが難しいことを示している可能性があります。

 

〈ワルンの集まるエリア〉

よって製品の品質も重要ながら、販売戦略などマーケティングが重要と考えます。大きな人口に惑わされることなく、各地域の特徴を捉えた市場や顧客を特定し、ターゲットとし、流通構造などもよく調査する必要があります。

 

尚、インドネシアに直接投資を行う場合、新興国に共通の規制業種、禁止業種が規定されています。日系資本など外資が現地法人を設立する場合は、最低投資額が100億ルピア(現時点の為替レートで約8,000万円)以上と較的大きいので留意が必要です。